カウント1

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午後二時をまわった頃だろうか? 輝の家に来て一時間は経過していた。 そろそろ二人で遊んでいるのにも飽きて、早くみんなが来ないかなと言っていたら家のチャイムがなった。 階段を駆け上がる音がしてすぐに扉が開いた。 「わりぃ、わりぃ」 入って来たのは、丸井浩二だった。 肩で息を切らしながら、フーっと息をはくが呼吸は整っていない。 浩二は見た目にもかなりのデブだが眼鏡から覗くつぶらな瞳が印象的だ。しかし鼻は吊り上がっていて、本物の豚のようだ。 伸びたTシャツに短パンで白いハイソックス。見るからにオタクの浩二だが、実は卓球部の部長をしていて動きはなかなか俊敏だ。 胸元の汗をタオルで拭きながらホッとしたように雅弘の横に座ってきた。 「今日も暑いなぁ」 と浩二が言うと、雅弘の前に置いてあるお茶を一息に飲みつくした。 「おい!俺の…」 「まぁまぁ」 と浩二は雅弘が言いきる前に促してきた。 輝がお茶を出してくれて、それをまた一気に飲みほした。 「走って来たのかよ?そんな汗だくで」 「いいや、今その階段を駆け上がっただけさ」 その距離でそこまで息を切らすものなのかと雅弘は思ったが口には出さなかった。 「まだみんなは来てないのかい?」 あぁ。もうすぐ来るだろう。と言う言葉を聞くや否や、さっそくテレビの電源とゲームをセットし一人の世界に入った。 浩二が来てから5分もしないうちに続々と集まった。 まずは小野寺祐太が来て、次に萩原新一と、杉本康太が同時に家に着いた。 長身の祐太は輝より少し背が高いが女の子みたいな顔つきで、体も華奢だ。 新一と康太は二人とも背が低く、新一に至ってわ一六○センチもない。 二人は雰囲気も似ていてまるで兄弟みたいだが、頭の良さだけが格段に違った。康太は博士と呼ばれるくらい頭が良く、頭が良いだけじゃなく頭の回転も早い。それに比べて新一はスポーツはできるが馬鹿を絵に描いたような奴だ。 ゲームをしていても新一はすぐに突っ込んで負けるタイプだった。
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