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「富士山の傘雲如きで喜ぶとは……。
神前翔太もまだまだ子供ですわね」
「楓も人の事言えないでしょ」
楓の隣で呆れ顔を見せる沙希。
「楓だって……夜電気付けてないと寝れないくせに――」
「わ―――――っ!!!」
沙希の言葉は楓の叫び声によって途中で掻き消された。
「なっ、さ、沙希、それは――」
「楓ちゃん五月蠅い」
「あっ、す、済みませんですの」
正面の席から飛んできたハンカチを被ったままの愛の言葉に一蹴される楓。
「さ、沙希?」
楓は先ほどよりも声量を抑えて沙希に言う。
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