01.ハンカチを届けよう

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「……それで、あの」 翔太は呆れ顔で清美の隣に座っている“その人”を見て言った。 「藍沢先輩は……えっと、大丈夫なんですかね?」 「……なーに言ってるのよ神前君は~……」 清美の隣でハンカチを顔に被ってリクライニングシートを倒している愛は言う。 「決まってるじゃない……大丈夫なわけないでしょ」 「ああ……やっぱそうですよね」 苦笑と共に納得の声を漏らす翔太。 例によって乗り物酔いになっている愛なのであった。 「……ん?」 そんな愛の隣で――。 腕組みをして何やら考え始める清美。
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