出掛けた先のナルシスト様

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「ただいまー」 家に着いたフィリスだが、迎える者などだれもいなくしんみりとしていた。 だが、何処からか音楽が聴こえるのだが何とも歌声がひどい。 「また歌のレッスンなんかやってんのかよ…かなり大迷惑!」 耳を塞ぎながら台所に買った食材を置いてから布を持って裏庭に向かった。 何故裏庭に来たかというと、此処には頻繁に自称魔法使いと言い張る少年来るから。 彼の趣味は裁縫であり、布を裏庭にあるベンチに置いておくと勝手にそれを持って行って服となり戻って来るのだ。 実はと言うと、フィリスはまだその少年と一度しか会ったことがない。 「よし、今日はもう暇だから寝るか!」 ぽかぽかと暖かい太陽に眠気が増して、フィリスは大きな欠伸と共に屋敷の中へと消えて行った。 .
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