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「もう逃がしませんよ?」
市場の人通りがかなり少ない裏通りで一人の青年が何人かの兵士に囲まれていた。
その青年は蒼い髪、整った綺麗な顔立ちという素晴らしい要素を兼ね備えている。
そう、彼はジルクだ。
「チッ…なんだよ?」
「なんだよ、じゃないですよ?貴方は何度逃げ出せば気がすむのでしょう…いっそのこと部屋に縛り付けておきましょうか、王子?」
これもまた綺麗な顔立ちをした金髪の青年が不気味な笑みを見せながらジルクにそう言った。
しかし、ジルクも負けることなく彼を睨み付けている。
「一国の王子たる者、しっかりとは・た・ら・け!」
「うっせぇんだよ、アイル」
アイルはジルクの腕を引っ張り城へと連行する。
諦めたのか、面倒になったのか、ジルクはアイルに大人しく着いていくのだった。
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