出掛けた先のナルシスト様

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「ジルク王子…どうしたんですか?」 「あぁ?なんだよ」 アイルが驚いたような顔をしてジルクを見ていたのだが、ジルクは逆にそれに驚いているようだった。 「今日はやけに素直ですね…何か変な物でも食べましたか?それとも」 「別になんもしてねぇよ…」 ジルクはダルそうにため息を吐く。 「そうですか、では何か良いことでもあったんですか?」 「あぁ…そんな感じだな」 「そうですか!これでやっと王子の婚約者が決まりますね」 「はっ!?」 アイルは安心したような笑みを見せると、先にすたすたと歩いて行ていってしまう。 「婚約者って…あいつ男だぞ?」 ジルクはさっき会った名も知らない可愛い少年のことを思い出してそう呟いた。 .
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