自称魔法使いとお洋服

2/4
456人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
白、赤、黒の三種類の布がベンチの上にただ置いてある屋敷の裏庭。 そこに一人の少年が現れた。 どこから現れたのかは不明だ。 「あ、またフィリスが布を買っていてくれたんだね!」 少年は嬉しそうに布を手に取ると、光に包まれて何処かに消えてしまった。 ―― 此処はあの屋敷から差ほど離れていない小さな小屋だ。 「よし、また作るぞ!」 そう言って少年は杖を何処からか出し、それをひと振りすると裁縫道具が現れた。 少年は実は魔法使いで、名前はヘルヴェルという。 皆からはヴェルと呼ばれている。 「フィリスの為に」 そしてヴェルはさっさと服を作り始めた。 手慣れた手つきで布を切り、ミシンを操り、縫い目もきちんてしている。 ヴェルは魔法使いより仕立て屋の方が向いてる気がするのは間違いなかった。 .
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!