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「てか僕は自称なんかじゃない!?本当に魔法使いなんだって!」
「はっ?お前は仕立て屋だろ!」
「裁縫は趣味だってばぁ」
ヴェルは涙目でそう訴えるのだが、フィリスは全く信じようとしない。
「お、これは今回の服か!相変わらず良いもの作ってるよな、さすがは仕立て屋」
「あ、ありがとう…」
ヴェルは喜ぶべきなのか、怒るべきなのか何とも言えない感じだった。
フィリスはそんなヴェルを全く気にする様子なく、服をじっと見つめている。
「そう言えば、お前の名前教えろよ!」
「えっ!?」
「何でそんなに驚くんだよ」
フィリスはけらけらと笑う。
ヴェルは何だが照れ臭そうに下を向いてもじもじとしていた。
「僕はヘルヴェル」
「じゃあ、ヴェルだな!俺はフィリス、これからよろしくな」
ヴェルはこれを機にフィリスと友達になることが出来たのだった。
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