2人が本棚に入れています
本棚に追加
入ったと同時にコーヒーの匂いが鼻につく。
入部した時の部室の第一印象は[喫茶店]
正確に言えば喫茶店もどき。
部員が改造した机に、柄が綺麗なテーブルクロスを敷いてたり。
前の部長が自費で購入したカーテンや照明。
なんでもその部長さんはここを(部長さんだけの)快適なサボり場にしたかったとか。
飲み食い(お菓子持参)しながら相談を聞いてくれるときたから、そりゃ毎日人が来るったら来る。
「凛ちゃん!んふふ…柏木君の呼び出しどうだったー?告られた?告られちゃった?」
「ちょっと舞子…声でかい」
そして二回も言うなと、近ずいてきた舞子にチョップをくらわせて、数人の部員と相談者さんたちを尻目に、舞子の腕を引っ張って廊下に出た。
「あはは~…ごめんごめん」
茶色いふわふわの髪を揺らして苦笑いした宇ノ瀬舞子は、可愛くて学年でも人気者。
そんな舞子には当然彼氏がいて…
人目を気にしないでイチャイチャする、誰もが認める超絶バカップル。
そして中学生からの唯一の友人と呼べる人だった。
いつも笑わないで無愛想な私には絡みにくらしく、用がない限り話しかけてこないクラスメイトと違って、いつも話しかけてきてくれた。
今でもそれは変わらない。
この部活も舞子が誘ってくれた。
最初のコメントを投稿しよう!