第一章

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大学食堂 「オモイカネか・・・」 先ほどから、加藤が持っている箸が進まない。せっかくの日替わりランチが台無しである。 「さっきから箸が全く進まないな。ハンバーグ食っちまうぞ?」 「あ~やめろやめろ~。食べる、食べるから~」 口にハンバーグを運ぶが、それ以降はやはり箸が進まない。 「どうしたんだ?いつもは定食二回も食べるお前が、全く飯を食わないなんて」 「・・・考え事。オモイカネの事に関してなんだけどさ、結構いろんな伝承があるよな」 缶コーヒーをすする 「加藤、俺は西洋の伝承を調べているから、日本の伝承はあまり分からないんだ。スルトやらオーディンやらな」 佐々木は、西洋専科なため、俺とは違う講義を受けている時がある 「まぁ、気になるなら、西洋専科でも調べてやるけど・・・」 「日替わり付ける」 「カツ丼も追加。デザートもよろしく~」 頼んだ者の弱みである。
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