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BAR「ラグナロク」
来店を知らせる鈴が鳴り、店長がドアに顔を向けた
「いらっしゃい。って伍長じゃないか。どうしたんだ?」
「俺は伍長じゃ無いって、三佐。カシスソーダ頂戴」
カウンターに座り、葉巻に火をつける。ふぅと一煙吐き出したところで、カクテルが出てきた
「伍長、葉巻を吸うようになったか?お前にも、この豊潤な香りが分かるようになったか」
「まぁそんなところさ。店長」
また一煙吐き出した。そして、グラスの中身を一口飲み込む。
「何かツマミを出そうか?伍長。何が良い」
「ウィンナー。ドイツのやつ。あるかい?」
「ああ、待っていろ」
あるのかよと、進藤が呟く頃には、既に店長は厨房の中に入っていた。
数分たつと、店長が子鍋を持ってきた。
「これだ。ナイフで切り込みを入れて、フォークで皮からはがして食べろ」
「ああ。ありがとう」
言われた通りの動作をして口に運ぶ。
「ところで・・・伍長、オモイカネの贄という伝承を知ってるか?」
「聞いたことはあるが、詳しくは知らないな」
店長は、昨日の話をした。
「へぇー、そんな話だったのか。それで、いきなりどうしたんだ?店長」
「いや、深い意味はないんだ」
進藤は、首を傾げつつも、先ほどのウィンナーを口に運び、会計をして、店を出た。
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