自己紹介

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ハイドロゲンが自分のクラスを探し当て、教室に入った時既に数人のクラスメイトがそこには居た。 「おはよー、みんな!これから3年間よろしくね!!」 ハイドが明るくそう言うと、数人が『よろしく』といった返事を返した。 「えーっと、俺の席は…此処か!」 ハイドの席は窓際の1番前。 後ろの席には、スーツ姿の眼鏡をかけた赤い髪の男が座っていた。 彼はパソコンをカチャカチャ叩いている。 「ハイドロゲン君、だね。…あぁ、結構近くに住んでいるんだ。趣味は『友人と遊ぶこと』。部活は…」 「え、ちょ、何!?君なんで俺知ってるの!」 「あぁ、ごめんね。僕はリチウム。リッチーて呼ばれてるからそう呼んで。 趣味はデータ集めと25動巡り。ゆっくりしていってね!!」 リッチーはにこりと笑った。 「ふうん、すごいねリッチー。じゃあ、此処に居る全員のこと知ってるの?」 人懐っこいハイドは何の疑問も持たずにリッチーに問い掛ける。 「まぁね。例えば斜め後ろの男の子二人。」 ハイドはちらりとそちらを見遣った。 気難しそうな眼鏡の少年と、銀髪の美少年が話している。 「眼鏡君がマグネシウム君で、銀色の子がアルミニウム君。 マグネ君はちょっと堅物だけど、アルミ君は優しくて話やすいよ。」 「ほえー。」 リッチーの説明は続く。 「僕の右側に見える黒ずくめの子は。」 目線を追うと、黒い服の生真面目そうな少年が本を読んでいた。 「ボロン君。硬派な純情少年。」 「ふーん。 …あのさぁ、その向こうのオレンジ頭の人は?」 ハイドはヴィジュアル系バンドの様な格好をした男性を示した。 「あれはネオン君。元野球部で、現在はギターに陶酔してるよ。」 「へー。リッチーは本当よく知ってるね。」 「へへっ、まだまだ!次はネオン君の斜め後ろの黄緑色の人。」 「…あちゃー…。」 見遣ると、残念なセンスの服を着た出っ歯の少年がキョロキョロしている。 「彼はクロライン君。まぁ、うん、いい人だよ。」 リッチーは笑顔で言葉を濁したのだった。
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