それぞれの目覚め

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~ティニ~ 一般視点 「なんで街の人たちを殺した!」 ティニは叫んだ。 続けて今にも泣き出しそうな声で彼の目の前にいる少年に問いかけた。 「……なんでこんなことになってるの? 教えてよ!」 賑わいのあった街は無惨にも破壊されていた。 だが、街を壊した少年から返ってきたのは仇を見るような視線とこんな言葉だった。 「まさか君が《アラガイ》の宿主だったとは……。 でもこれは君が《アラガイ》のことを隠すからこんなことになったんだよ?」 そう言い彼は周りを見渡す。 そこには街にいた人たちの死体と街であった場所で燃え続ける炎だった。 「……君がただの獣人なら、ただ友達としていられたのに。」 そして軽蔑を帯びた目でティニを睨んだ。 「だからって街の人たちまで巻き込む必要があったの?」 「ただの口封じだよ。 ……さて、いい加減危険な存在はこの世から消えて貰おう。」 そう言うが否や、ティニの背後に回り込み、一瞬で刃物を突き立てた。 ティニ視点 刃物を突き立てられた直後、痛みで全身の力が抜けてしまった。 ……僕は死ぬのかな。 まだ皆の仇を取ってもいないのに。 ……嫌だ! ……まだ…死…ね…………ない。 …………薄れゆく意識の中で視界に浮かぶひとつのビジョン。 それを言葉として僕は口にした。 「瞳の奥で空が弾けた…………」
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