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翌日。
俺たちのチーム、『河川敷スターライツ』のユニフォームがロッカー前の机に置かれていた。
「まさか……」
綺麗にたたまれたユニフォームが5つ。
それぞれ名前が縫い付けられていて、誰のものか一目でわかる。
『秀香 黴』
『日向 空哉』
『御堂 隼人』
『早乙女 涼』
『西口 啓』
結局練習に来たのは彼ら以外の半分だけだった。
実に半数のチームメイト……
残った五人は黙りこくったまま、時間だけがすぎていく。
そして暫くたった後、俺は意を決して口を開いた。
「あいつらは…引き抜かれたんだ、タイタンズに」
その場の五人の表情が凍りついた。
だが俺は言葉を続けた。
「昨夜、スターライツのウェブサイトを通して、俺のPCにスカウトからメールがきたんだよ。
『キミたちには才能がある。私の目に狂いはない、遊びの野球など辞めて我々のチームにこないか』ってな」
――そう、居なくなった五人は全員がタイタンズの育成選手として契約を結ぶことを選んだのだ。
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