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「冗談よせよ。あいつら五人とも引き戻して、もう一度チームをやり直す!それだけだ」
怒りを現にして机を叩いた。
解散なんてさせてたまるか…皆で作ったチームなんだ、こんな終わり方は……
「本当にそれでいいのかな」
「徹……?」
「あんまりプロとかアマチュアとか分からないけど、やっぱり野球やってる奴はプロになりたいって思うんじゃないかな。
もしあいつらが自分の意志であっちを選んだなら……何も言わずに見送ってやった方が」
「……」
考えもしなかった。
大切なチームメンバーが引き抜かれたという事で頭がいっぱいだった。
「……練習しよう。グラウンドの貸出時間は限られてるよ」
徹はそう言い残してロッカー室を後にした。
その後の練習は、誰ひとり言葉を交わさなかった。
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