最後の文化祭 前編

19/32
3015人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
    ――   で、屋上。  何人か生徒は居たけど、あまり混んでいる訳でもなかったので、あたし達は適当に腰を下ろしてご飯を食べることにした。     「それで、今日はどうしたの?」   「うーん、何て言うか……そうだ、一つ聞いていい?」   「うん?」   「結衣と善ってさ、学校ではそんなにべったりしてる訳じゃないよね。二人でいる時はどうなの?」     見ている限り、一緒に勉強したりご飯食べたりはしてるけど、それ以外はそこまでべったり一緒にいる、という訳ではないと思う。  なら二人の時は?と尋ねるてみると、結衣は困ったように目を泳がせながらも、   「ふ、二人の時は……その、言ったらぎゅってしてくれたりとか……あとは膝枕、したり」   それだけ言って、真っ赤になって俯いてしまう。  ふ、ふぅん……なかなかに甘々だね。というか善もやっぱり二人だと結衣にデレデレになるんだ。そう考えると何だか可笑しい。でもじゃあ何で、銀はあんな普通なの!?友達と一緒じゃん!  
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!