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3日の間、結城は病室に来る事はなく関が時々差し入れを持ってきた。
「関サン、オレ…お金ナイ」
入院費や治療費の事を考えて俺は関にそう言った。
「ああ、そんなもん気にすんなや。ここはお抱えの病院やから何とでもなるんや」
関は缶コーヒーに口をつけながら言う。
「…スマナイ」
「すまん思うなら、身体で返して行けばいいんや」
俺は少し考えた。
身体で返す…?
「ドノ内臓を売ればイイダロウカ?」
ぶっ
俺の言葉に関が口に含んだコーヒーを吹いた。
白い清潔なシーツにコーヒーのシミが広がる。
「お前なぁ…ワシが言うたんはそんな意味やなくて、組長の為に組で働けって言うたんや」
「…日本語、ムズカシイ」
「正直、情報収集能力が高い奴が必要なんは事実なんや」
ため息をついて関は再度コーヒーを口に含んで飲んだ。
シーツ、看護師に怒られないだろうか?
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