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そして三日後。
結城が訪れた。
「具合はどうだ?」
「歩けるようにはなった」
「そうか。回復早いな。お前いくつだ?」
「…19」
「19!?」
遅れて入って来た関が驚いたような声を上げる。
「若いくせに辛気臭いツラしやがって!」
ガハハと笑いながら背中を叩かれる。
痛い。
傷が開かないか心配になった。
「まぁ、よく見てみればまだあどけなさがあるツラしてるじゃないか」
ここにきて改めて、結城は俺を観察した。
「で、返事は決まったか?」
観察を終えた結城が問いかけてきた。
「…はい」
関も興味を持った目で俺を見ている。
「お世話にナリタイト思います」
この時の事を俺は一生忘れないと思う。
そう言った俺に向けて、結城は優しく微笑んだのだった…
後にも先にも、こんな笑顔を見たのは初めてだった。
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