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病院から退院の許しが出て、俺はしばらく関の家に世話になる事になった。
結城…組長には年頃の娘が居る事や、今少し組同士で争いがあるとのことで本家には行かない方が良いとの事だった。
「とりあえず、こいつに名前をやらないといけませんぜ」
車の中で運転しながら関が組長に言った。
「そうだな…」
組長は少し考える風にあごに手をやり、さする。
「よし、木場セイジだ」
「木場セイジ…ですか?」
組長の言った事に関が少し驚きを隠せないようで言う。
「ああ。セイジだ」
「オレノ名前、キバセイジ」
「これから頼むぞ、セイジ」
組長に与えられた名前を心の中で反芻する。
それが、これからの俺。
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