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ゆっくりと開いた玄関に、人がいた。
気配がなく、油断していた。
バシャン!!
顔に、何かが当たり中が弾けた。
ぽたぽたとしずくが髪と頬を伝う。
服がぬれた。
「だっさ」
一言、少女の声がした。
「ダッサ…?」
聞きなれない言葉に意味が分からない。
「ださいって言ってんねん!どんくさいなぁ、自分!!」
きぃきぃとした甲高い声が再度言う。
改めて声の主を見やると、小さな少女だった。
「…」
それからはお互い、一言も発せず見つめ合った。
俺は睨まれていた、と言うべきか。
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