新たなる行き方。

9/10
前へ
/58ページ
次へ
俺は、替えの服がなかったので関の着流し?という着物を着つけられた。 窮屈で動きにくい。 それから、改めて居間へ案内された。 テーブルにお茶を出した後、女性が口を開いた。 「さっきはごめんなさいね。おてんばて困ってるんやけど…」 「いえ…」 「さっきの子は関と私の娘で小学3年生。名前はコトリ。私は関の妻のヒヨリ。あなたは木場セイジ君ね」 「はい」 頭の中で顔と名前を一致させながら俺は頷いた。 関の妻…奥さんのヒヨリ。 ウェーブがかった茶色い髪を品よく束ねている。 優しそうなまなざし… 関とヒヨリの子供、コトリ。 いたずらっ子のような吊り目がちの瞳に褐色に日焼けた肌。 「あと一人息子がいてるんやけど、今は出かけてるから帰ってきたら紹介するわね。何か聞きたいことある?」 「アリマス」 俺は神妙に頷いて言った。 「あら、何?」 ヒヨリが身を乗り出して聞いてくる。 「ださいトどんくさいハ、ドノヨウナ意味デスカ?」 .
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加