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俺は、替えの服がなかったので関の着流し?という着物を着つけられた。
窮屈で動きにくい。
それから、改めて居間へ案内された。
テーブルにお茶を出した後、女性が口を開いた。
「さっきはごめんなさいね。おてんばて困ってるんやけど…」
「いえ…」
「さっきの子は関と私の娘で小学3年生。名前はコトリ。私は関の妻のヒヨリ。あなたは木場セイジ君ね」
「はい」
頭の中で顔と名前を一致させながら俺は頷いた。
関の妻…奥さんのヒヨリ。
ウェーブがかった茶色い髪を品よく束ねている。
優しそうなまなざし…
関とヒヨリの子供、コトリ。
いたずらっ子のような吊り目がちの瞳に褐色に日焼けた肌。
「あと一人息子がいてるんやけど、今は出かけてるから帰ってきたら紹介するわね。何か聞きたいことある?」
「アリマス」
俺は神妙に頷いて言った。
「あら、何?」
ヒヨリが身を乗り出して聞いてくる。
「ださいトどんくさいハ、ドノヨウナ意味デスカ?」
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