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「なっ、何やお前…!」
男の一人がコトリから手を離して俺に掴みかかってくる。
その手をかわしながら俺はコトリに聞く。
「助けた方がイイカ?」
「当たり前やろがボケ!!」
助けてもらう人の言葉じゃないね。
俺は小さくため息をつき、腹に力を入れた。
掴みかかって来た男の拳が迫ってくる。
大ぶりなのでかわすことは容易だ。
簡単に拳から避けると、俺はすれ違いざまに男の首筋に軽く手刀を叩きいれる。
ただ、それだけで男は地面に膝をついて倒れた。
「な…!?」
もう一人の男が驚いている。
コトリも、目を見開いていた。
「何したんやお前!!」
コトリの腕を離して男が襲いかかってくる。
同じように相手の攻撃をかわして、すれ違いざまに首筋に手刀を叩きいれた。
これも、あっさり倒れ伏す。
「これでイイカ?」
2人の男を数秒で叩き伏せた俺はコトリを見た。
「あんた、何したん?」
コトリの目は見開いたままだ。
「…首の動脈とかツボトカ…ちょっと抑えて気脈を断ったダケ。気を失ってるダケダ」
「はー…あんた、強いんやな」
「いや…」
何と答えて良いのか分からず、俺はあいまいにはぐらかした。
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