日々、勉強。

5/10
前へ
/58ページ
次へ
それから俺はコトリと一緒に家路についた。 いつもなら無茶な内容で突っかかって来るコトリも大人しい。 「…あいつら、おとんと敵対してる組のやつらやわ」 並んで歩いていると、コトリが語りだした。 「うちを誘拐しても、おとんは簡単には動かんのにね。アホやわ」 コトリは関の事と「おとん」と呼ぶ。 関西弁での父親の意味らしい。 それと反対して、母親は「おかん」と呼ぶ。 「…そんな事、ナイ」 コトリの言葉を俺は否定した。 関と行動を共にする事も増えてきた俺は、家族の事を楽しそうに話す関を知っている。 中でも、コトリは一番関に似ているらしくおてんばだが、溺愛していた。 「何も知らんくせに…」 コトリの、大人びた横顔に俺は何も言えなかった。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加