先生と生徒。

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俺とコトリは例の公園へ来た。 あれ以来、ここが俺とコトリの特訓場になっていた。 「自分がこう手を伸ばしたら、コトリはこう動いてこうするといいッス」 コトリの関西弁講座を習い、だいぶこのしゃべり方は慣れてきた。 「こうして、こうか?」 俺の腕をかわしながらコトリが言う。 「何かこう、もっと派手に出来る事ないんか!?」 ひとしきり、護身術を練習した後の休憩中にコトリが言う。 「…コトリは小さいから、相手を倒す事より逃げる事を考えた方がいいッス」 「小さい!?」 聞き捨てならないと言うようにコトリが言う。 「あー…コトリは、クソガキ?だから?」 「はぁ!?自分なめとんか!誰がクソガキや!」 「…小さい子供の事をそう言ってるDVDがあった」 「…」 コトリがぽかんとする。 「違うカ?」 「…小さい子供は子供でええねや!ええか、クソガキっちゅーんは、手に負えんやんちゃくれのいたずらっ子の事を悪く言う言い方や!!」 「…ナルホド」 手に負えんやんちゃくれのいたずらっ子… コトリそのままだ、と思ったが言わないでおいた。 「子供に対してあんまりクソガキ言うなよ!」 ふんぞり返って得意げに俺に言う。 「ワカッタ」 カイトが言っていたように、任侠映画の日本語はあまり参考にしない方がいいようだ。
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