セイジ。

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「この部屋は…?」 「…前まで使ってたやつがおったけど、もう戻ってこんから…片付けるんや」 机の上などには埃が溜まっている。 随分と長い事放置されていたようだ。 置いてある物や本などから、若い人が使っていたように思う。 「いずれは、お前がここに住む事になるやろ」 「自分がッスか?」 「そうや。まだ時期ちゃうけどな」 「時期ッスか…?」 「まだしばらくはワシの家で我慢せぇや」 「了解ッス」 「素直に了解すんなや。我慢しとるんかい!」 「してないッスよ~」 関に指示されてバケツに水を汲んで来て、はたきで上の方の埃を落としていく。 箒で掃いた後、雑巾で拭きあげて行く。 「物はつかえるもんは置いといたらええけど、いらんもんは処分していけ」 「…いいんスか?」 「ああ」 本棚を物色してみる。 漫画本や車の雑誌がきちんと整頓されて入っている。 前の部屋の主は几帳面だったのだろうか? ふと、写真が目に入る。 小さなコルクボードに2~3枚の写真。 「関さん、これは…?」 「ああ、そんなとこに写真置いとったんか…」 関が写真を覗き込む。
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