121人が本棚に入れています
本棚に追加
「この部屋は…?」
「…前まで使ってたやつがおったけど、もう戻ってこんから…片付けるんや」
机の上などには埃が溜まっている。
随分と長い事放置されていたようだ。
置いてある物や本などから、若い人が使っていたように思う。
「いずれは、お前がここに住む事になるやろ」
「自分がッスか?」
「そうや。まだ時期ちゃうけどな」
「時期ッスか…?」
「まだしばらくはワシの家で我慢せぇや」
「了解ッス」
「素直に了解すんなや。我慢しとるんかい!」
「してないッスよ~」
関に指示されてバケツに水を汲んで来て、はたきで上の方の埃を落としていく。
箒で掃いた後、雑巾で拭きあげて行く。
「物はつかえるもんは置いといたらええけど、いらんもんは処分していけ」
「…いいんスか?」
「ああ」
本棚を物色してみる。
漫画本や車の雑誌がきちんと整頓されて入っている。
前の部屋の主は几帳面だったのだろうか?
ふと、写真が目に入る。
小さなコルクボードに2~3枚の写真。
「関さん、これは…?」
「ああ、そんなとこに写真置いとったんか…」
関が写真を覗き込む。
最初のコメントを投稿しよう!