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「懐かしいな…」
写真を見て関はそうつぶやいた。
写真には、若い頃の関と組長、その他組の者と女性、小さな女の子…お嬢が映っていた。
「これ、組長の奥さん?」
「そうや。まだ元気な時の写真や。これからもう少ししてから…事件に巻き込まれて今も入院しとる」
「この人は…?」
笑顔でこちらを見ている若者。
「この部屋の、持ち主やったヤツや」
「この部屋の…」
もう一度写真をじっくり見る。
「…もう、ここには戻らんから気にせんでええ」
「戻らない?」
「まぁ、色々な。その内親父から聞くやろ」
「はい…」
破門、にでもされたか稼業から足を洗ったか…
気にするなと言われたので、気にしない事にした。
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