3人が本棚に入れています
本棚に追加
一緒にいると楽しくて、
もっと近づきたくて、
ずっと一緒にいたんだ。
3年生でクラスは離れたけど、やっぱり一緒に登下校もした。
夏休みも遊んだし、家族ぐるみで仲良くなって、初詣も一緒に行った。
高校も一緒だと思ってた。
けれど、真広は県外の高校に進学した。
『高校だけでも、県外に行ってみたい』と言う、真広の想いを尊重したのだ。
寂しかったけど、メールをたくさんしたから、寂しくなかった。
けれど、ある日を境に、要は自ら連絡をしなくなった。
『私、好きな人いたみたい』
夕食の途中に来た、真広からのメール。
真広に、好きな人ができた。
そう考えると、涙が溢れる。
「……おっせー…」
今さら、自分の気持ちは明かせない……。
心の奥底に、奥深くに無理やり閉じ込めた。
「……っ…う…」
家族に聞こえないように、部屋で声を押し殺して泣いた。
最初のコメントを投稿しよう!