選ばれたひと

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 藤色の美しい着物に身を包んでいる莉舞。  艶やかな銀髪が、肩からさらさらと落ちていった。 「仁美から聞いた。なんか用?」 「…一応僕も、五大天使の1人なんだよね。…その言葉遣いは聞けないなぁ」  ふわりと細められていたスカイブルーの瞳が強さを増し、紫色から深紅へと染まり──  ──ドクンッ! 「ふふ……」 「ぁ…あ…!はぁっ…!」  要は胸を押さえてガクンと崩れる。  横たわったまま服を握りしめて、荒い呼吸を繰り返した。 「は…っ、はぁ…ぁあ…!」 「要、…反省した?」  妖艶に底光りする瞳を細め、莉舞は要に歩み寄る。  静かな足音は、要の吐息に飲み込まれた。 「はっ…い……は、ぁ…」  苦しくて苦しくて、ただ莉舞に手を伸ばした。 「はっ……莉…やめ…てっ…!」  莉舞の瞳がじわじわと澄んだスカイブルーに戻る。  同時に、要の激しい動悸もおさまっていった。 「は…っ…はぁ…はぁ……」 「五大天使だけが持つ戒めの力だよ。 いいかい?要」
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