過去

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 真広は、中学2年生の時、要のいる学校に転校してきた。 「篠田真広です!よろしくお願いします」  元気で活発な女の子だった。  体を動かすことが大好きで、ふわふわの髪をいつもポニーテールにして、いろんなボールを追いかけていた。  真広は、名前のとおり真っすぐで心が広く、みんなから愛されていた。  その中でも要とはよく趣味があって、一番仲良くなった。 「あ、この本、私も好きだよ!」  珍しく読書をしていた要に、満面の笑みで話しかけてきた真広。  これをきっかけに、要と真広は仲良くなった。  偶然にも家が近く、時間が合えば一緒に登校したし、暗くなると下校も一緒だった。  晴れの日には、昼休みにバスケをみんなでたくさんやった。  そのたびに、「バスケ部のクセに下手だなぁ」って、バスケのうまい真広に笑われたっけ。  雨の日には、みんなで腕相撲をしたり、トランプをしたりした。  2人がトランプのスピードをしてもいつも互角で、何度もやるたびに「もういいだろー」ってクラスメイトに飽きられたっけ。
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