♦ 霞む ♥

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『なにやってんの 君~? マネキンの ディスプレイの前に ずっと張り付いて ~』 酒臭さを連れた   その声は すぐ 後ろから 聴こえてきた 千鳥足を通り越して ゾンビのような 不安定な足取りだった 『冷やかしとか、 やめて もらえませんか? 』  それを聞いた 赤ら顔の中年の男は 大声でけたたましく 笑いだした ――――静寂な白夜の 霧を切り裂く―――― 『兄ちゃん 面白い事  言うね~ 冷やかし? 俺が あんたに? ウケケケッ 何でよ? 君もしかして、 その マネキンさんと  お楽しみ中 だったとか?』 『マネキン何て いませんよ…  彼女ですよ。 もう  いい加減に して下さいよ。 いくら、 酔ってるからって …』 男はそれを聞いて  ふに落ちない 表情で ケタケタ笑いながら 消えていった。 『クックッ…   イカれてるぜ…』image=391245129.jpg
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