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『なにやってんの
君~?
マネキンの
ディスプレイの前に
ずっと張り付いて
~』
酒臭さを連れた
その声は
すぐ
後ろから
聴こえてきた
千鳥足を通り越して
ゾンビのような
不安定な足取りだった
『冷やかしとか、
やめて
もらえませんか? 』
それを聞いた
赤ら顔の中年の男は
大声でけたたましく
笑いだした
――――静寂な白夜の
霧を切り裂く――――
『兄ちゃん
面白い事
言うね~
冷やかし?
俺が あんたに?
ウケケケッ
何でよ?
君もしかして、
その
マネキンさんと
お楽しみ中
だったとか?』
『マネキン何て
いませんよ…
彼女ですよ。
もう
いい加減に
して下さいよ。
いくら、
酔ってるからって
…』
男はそれを聞いて
ふに落ちない
表情で
ケタケタ笑いながら
消えていった。
『クックッ…
イカれてるぜ…』
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