蝉の声

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必死に化粧室の扉をあけると、 そこには… 猛がいた。 「喘息なのか!?大丈夫か!?」 猛が私に触れた。 ばっと、その手を振り払ったが独りで歩けない。 「雅を呼んでくる!!」 と、猛の言葉に声にならない声と首をふり必死に抵抗した。 義母に叱られると、沙羅が悲しそうに私にすりよる… あんな思いさせたくない 猛はいきなり私を抱き抱えた、私は猛になんか触れたくも、助けてほしくもないのに抵抗も出来ない自分の身体が悔しく、涙が溢れ呼吸はよりあがり、酸欠状態におちいりそうな位、興奮状態に。 猛は料亭の駐車上に走り車にのせた。 エンジンをかける音が聴こえるか、聴こえないかの内に車が走りだす。 「大丈夫か?今、病院に連れてってやるから…」 同情した瞳で猛は私を見た。 こんな男に助けられるなんて悔しくって悔しくって 涙が止まらないよ 「苦しいよな…可哀想に……唇が青くなってるじゃないか!?…畜生!!」 猛が舗装されてない森の中のへと急ハンドルを切り、脇道へと進んでいく。 意識が遠くなる… それでも、けたたましく 蝉が鳴く。
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