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「ラージャ。『ザイゴート』だけでいいですか?」
「ああ、任せた」
短いやり取りの後、三発の弾丸を連射。一発は外したが残りは命中。
とてつもなく速い連射。彼の神機は『アサルト』、『縮地』。
整った顔立ちと、白磁の肌、それに垂れ目の大きな蒼い瞳と、金髪の天然パーマ。それらは彼に幼い印象を与える。
外見だけなら小学生と言っても通じそうだが、年齢は15歳。
目深に被った帽子、Tシャツにパーカー。それにダボダボのズボンというラフな格好。
すべてに置いて戦闘を意識させない見た目だ。
「ふぅ、こういう時にノロマな先輩は役に立ちませんね」
「ノロマじゃねぇよ! 『シャウラ』が重いんだっ!」
「ゴッドイーターのあなたが自分のノロマを神機のせいにするなんて」
やれやれ、といった様子で肩を竦める。
実際、タワーシールドは基本的に重たいし、その中でも『シャウラ』はかなり重い部類に入る。
だがリングは詰りを止めなかった。
「はぁ、こんな先輩だと──」
一閃。前髪がハラハラ落ちる。
「こんな先輩だと……なんだ?」
言えない。言えるわけがない。
「クレイジィ……」
「さっさと行け。なっ?」
「ラージャ」
リングは背筋を正して『ザイゴート』に向かった。
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