憧れは調査員

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 6年前。彼が11歳の時、彼の当時住んでいた居住区はアラガミの襲撃を受ける。  極東支部付近の外部居住区に住んでいた彼は、当時から度々あったアラガミの襲撃に割と慣れっこで、むしろアラガミという存在に憧れすら抱いていた。  資料や言葉でしか知らない化物。見たいと思っても見せてくれない。  そんな存在は11歳の好奇心に対して、非常に甘美な毒だった。  ある日、彼は警報を無視してアラガミを見たい、という欲求のままに飛び出した。
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