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所持品の確認。
スタングレネードが二本。それに気休め程度の拳銃のみ。
回復錠に意味はない。ゴッドイーターでない彼にとって、アラガミの攻撃はどれを取っても一撃必殺。
そんな相手と向き合うことは、尋常でない精神力がいる。
「あんまり緊張感のないやり取りはできないわな。任せたぞ」
「いいんですか!?」
「いいから行くぞ。一人でいいな?」
最終確認だった。それに対して答える。
「当たり前です!」
後ろで駆け足の音が響く。
『ヴァジュラ』は意識を戻して、咆哮する。
全身が総毛立つ。やっぱり怖いと思う。
隊長は『生きろ』とか命じなかった。それは逆にマウミに『生』をとてつもなく意識させたのだ。
「さぁ来いニャンコロっ! てめぇから、逃げて逃げて逃げまくってやらぁっ!!」
吠えて、スタングレネードを構えた。
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