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その最中、見慣れた物を見るのだった。
「…アレ?俺の傘?」
自分の持つ傘にとても良く似た傘を手に歩く幾つか年下だと思う少女が、こちらの方向へ歩いて来たのだった。
少なくともあんな特殊な形や、奇妙な色の傘は珍しい…。
疑うではないにしろ、盗まれたのが近くのコンビニというのもあり、事実確認の為に失礼ながらも近寄りつつ質問を試みる。
だって名前も書いてあるもん!
爺ちゃんのお手製だもん!
「あのぅ…すみませ-」
-と、その時である。
『ギィィッ…ガコッ!ガランガランッ!!』
「…へ?」
なんと新車の助手席のドアが、その少女が斜めに持っただけの傘が引っ掛かり、物凄い音を立てて外層が剥がれたのだった。
「…あぁーーー!!!」
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