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「さて……君の最初の依頼だが……」
学園長室……
アンティークで飾られたこの部屋には、幾つものトロフィーや写真が飾られている……
もちろん、この部屋には自分と学園長こと魔女しか居ない訳だが…
どうにもこの古臭い部屋と不気味な姿をした老婆の魔女には落ち着かない……てか腑に落ちない…
と言うのも依頼だ…
噂に言われる魔法使い見習いの修行…
魔女依頼は魔法使い見習いが誰もが通る道、無理難題で魔法使いの中では常識となっている。
魔法使いの常識と言っても俺は見習いだけど…
そして、本日付で修行先である聖暦学園へ転入手続きを済ませに来たのだがー…
早速依頼をしてくるのは流石の無理難題と言える。
「なんだね?…まさかと思うが嫌なのか??」
魔女は見透かしたかのように、品定めでもするかのように言う…
わかってる。
魔女はきっと心が読める。
それは、魔法を使わずとも……
「いや、早かれ遅かれこれが俺の仕事で修行なんだろ?
その魔法とやらの。
だったらその修行とやらを始めようぜ?…」
最初から意は決してたんだ。
こんなとこで弱音は吐けるかよ!
魔女は少し頷くと…
「…では、依頼の説明をするかね…………」
魔女は重たい腰を上げて、窓口の外に視線を投げる。
「"妖精"をしってるかい?…」
「妖精ー…?」
妖精と言う生き物がこの世には存在しているそうだ……
だけど、妖精に関しては見たこともないし、見た奴もいない…
「……妖精、名称なんてどうでもいいのさ…」
魔女はゆっくりと俺に視線を戻しー…
「妖精の生み出す哀しみの涙は人の汚れを拭い去る事が出来ると言われている……
同時に…………
魔力を増幅させる事が出来るー…言いたい事はわかるだろう?
」
魔女はサドの属性があるのだろうか……
そんな奇妙な依頼と共に魔法使いの修行が始まる。
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