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そして魔女に連れられるがままたどり着いたのがこの聖暦学園……
魔女は魔法使いであると共に学校の長、学園長をやっている。
俺は暫くの間、この学園の倉庫室へ保護される事になった。
いや、いま思えば監禁されていた。
どちらにせよ両親も親戚すらいない俺にとっては問題は特になかった。
保護されてから3日目に魔女から魔法使いの修行し、完全に魔法使いとして生きていくのか、それとも魔法使いを隠し平凡な生活を生きるのかどちらかを選べと言われた。
魔女のその目はまるで心を見透かしている…
結局選択肢なんて初めからなく…
もちろん修行はする事にしたのだが、魔法の事なんぞ全く無知の素人が好奇心と勢いで決めたようなものだった。
それからの事はあまり覚えていないが、魔女に魔法使いの事、魔法使い修行の事を簡単に聞き、そして今日……
……
聖暦学園へ転入する事となったのだ。
「とりあえず…坂嶺ー…
魔法使いは必ず二つ名を持っておるものだ。
先ずはその形として二つ名を授ける……
これは魔法使いの風習みたいなものなのだ…」
魔女はアンティークな椅子に腰掛け、人差し指を向ける。
何かを見透かしたみたいな、不気味にニヤリとした表情はジトリとして胸焼けがする。
「ククル……
お前は今からククルだ…
名無しのククル
」
「ー…名無しのククル……ってー…なんで名無し??」
「ククルと言うのはな……昔の偉大な魔導士を引用してるのさ……
そして【名無し】はその魔道士がそう名乗っていたからだ。
二つ名は昔から今にまで受け継がれていく風習があってな…
不満かもしれんが、我慢してもらうぞ。」
「ー…ようは適当なんだな」
「適当ではない」
魔女は即答した。
「名無しのククルか…でも学園じゃ本名でいいんだろ?」
「もちろんだ。
二つ名は魔法使い同士の呼び名だ、ルール上は問題無い。
むしろ二つ名は一般人に教えてはいけない!ルールは覚えているな?」
修行のルール…
二つ名を一般人に明かしてはならないとある。
魔法使い修行にはルールがあって守れない場合は修行終了ー…魔法使いとして全てを剥奪されるらしい。
「ルールくらい覚えてるって。
んでさっきの妖精の話しをいい加減聞かせてくれ…
」
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