緑川狂平

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「狂平さんの絵って、優しいですよね」 まだ作品が仕上がらずに作業をしている俺の後ろで、担当さんが部屋に飾ってある絵をみて言った。 「優しい?」 「なんて言うんでしょう…こう、絵が大好きっていうのがすぐにわかります。」 「そうですか?…でも、絵は大好きです」 そう、小さい頃から俺は絵が大好きだった。2歳の誕生日に貰ったクレヨン、色鉛筆、スケッチブックで初めて絵を描いた。 自分で描いた線が、点が、俺だけの世界を作る。俺がしか描けない絵が生まれる。 「初めて作品を大会に出したのっていくつの時なんですか?」 「うーん…高校の頃から、かな」  
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