紫集院曜介

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高校を卒業してもう5年になる。いつの間にか俺も23だ。 卒業して志望した大学に受かって就活して、目指していた企業になかなか入れなくて… そんな日が続いていたちょうど一年前。 『キミ、働き者だね』 高校を卒業した頃からバイトをしていたカフェで代表(当時は部長だった)に声をかけられた。 『どこの大学?』 学校の名前と学科を言えば(俺が言うのもなんだがそれなりにレベルの高い学校だ)、興味深そうに更に質問をしてくる。 『へえ、なかなかいい大学じゃないか。就活とかはしてる?』 『一応就活中なんですけど…世の中不景気なんでどうも上手くいきませんねー(笑)』 『じゃあウチにこないか?キミいつも見てるけど、すごく真面目そうだし働き者だし。学校もいいとこ出てるしね』 『あはは、ありがとうございます。』 『いやいや、真面目な話だよ』 『…え、いや……えっ?』  
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