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心の中では、沢山喋れるのになあ。
「本当~かわいいリップだね」
「私も、欲しいな」
「しほちゃん、いつも髪の毛くるくるでかわいいね。どうやってやるの?」
って、どうして口から出ないの?
ベンチに座って、空を見ながら、自分の頬っぺたをペシペシっと叩いて気合いを入れた。
「あ~あ、私ってなんだろ?ダメだなあ〰。
なんだか、虚しいな。」
今日の空も綺麗だな。
空を見てると余計自分が、ちっぽけに感じる。
私は、なんて…ダメなんだろ?私の存在ってなんだろ?
4人でいても、3人で、ほとんど喋ってるし…。
落ち込む。
「あーあっ。もう、ヤダヤダっ」
プッ
ん?プッ?
屋上は、いつも誰もいないから、油断してた。
誰?
私は、ベンチから、離れて屋上の階段の逆側に回った。
そこに、教科書を被って、寝ている男の子がいた。
ゆっくり教科書を取って
「君、独り言大きいね」
とゆっくり上体を起こしながら、話かける。
「わ、わたし、誰もいないかと、思って…あ、の。その。」
うわ、恥ずかしい〰〰。
カアッ。
「昼寝してたら、急に誰か入ってきて、ブツブツ独り言言ってるから、面白かったよ。」
「あ、」
わたし、この人知ってる、
「隣のクラスの…。たしか…
「成瀬涼(ナルセリョウ)だよ。」
「あ、そうそう、成瀬くん!」
よく女の子が、周りにいる人だ。
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