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老婦人、野中秋子は当時の様子を振り返りながら美幸に話した。
「その後よ。私達が自分達の部屋に戻ったら…そこで兄は死んでいたの。」
「お兄さんが…!?」
美幸は複雑な表情で秋子を見た。
その目にはうっすらと光る物があった。
「警察は自殺として処理したの。」
「…えっ、お兄さんはあなたの部屋で亡くなっていたんですよね?最初に部屋を出た時に鍵は?」
「私達以外に誰もいなかったので、それに一階に降りるだけでしたから掛けておりませんでした。でも、戻った時に部屋に鍵が掛かっていたんです。それで鍵を使って入りました。」
「そうですか。でもお兄さんは何故わざわざあなたの部屋に行き、そこで鍵を掛けて自殺を?おかしいですよね!?警察は何て?」
美幸は思わず大きな声を出してしまった。
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