かわるもの、かわらないもの。

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『必ず迎えにくる』 そんなクサい台詞をホントに言おうとしてたんだ。 ただ、ホームは人が多くてそんなこと言えそうにもなかった。 ほら、近くで子供が泣き出した。 こんな調子じゃ言えないって。 電車がホームに入ってきた。 また騒音。 でも言わないと。 ここしかない、というタイミング。 黙っていた彼女が先に口を開いた。 「ありがとう」 なぁ、なんで、『ありがとう』なんだよ? そんなこと言われたら、何も言えないだろ。 俺は笑って、うなずいて、電車に乗る。 ベルが鳴り響く、小さく手を振る。 ありがとうがさよならに聞こえた日。 忌々しく思っていた小さな街の灯が、何故だか優しく見えた。 いつか帰る日にも、変わらずにいて欲しいと願った。
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