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仕事に行く彼を見送った後、食器を洗って洗濯物を干す。
掃除機をかけていると、隣の家から内線電話。
「もしもし、今から畑に行くけど来るかい?」
お義父さんからのお誘い。
「すぐ行きます」
電話を切って、掃除機を片づけるとつばの大きな麦わら帽子とタオル・軍手を準備。
もちろん足元は長靴。
自分でも、こんな恰好するなんて思ってもみなかったけれど、これがなかなか気にいってる。
玄関を出ると、軽トラに乗ったお義父さん。
「あれ?お義母さんは?」
「今日は昭子らと出かけるらしい」
昭子さんは、近所に住んでるお義母さんの同級生らしい。
最初『昭子と出かける』なんて当たり前に言われたから親戚の誰かで私の知ってる人かと思ったら全然知らない人だった。
今では昭子さんとは私も茶飲み友達になったけれど。
「今日は?」
家庭菜園より少し大きめの畑に毎日出かけるお義父さん。
たまにこうやって私を誘ってくれる。
「手入れとピーマンと取りに」
口数は少ないけれど、ちゃんと私と話をしてくれるお義父さん。
初めて畑に行ったとき、虫に驚いて悲鳴を上げた私を豪快に笑って『悪さはせん』と言ってくれた。
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