29 ~立花の結婚編~

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専業主婦なんて私には無理だと思った。 あの人の事は大好きだけど・・・ 仕事してる時間が好き。 何かを作り上げる、作りあがった瞬間、そんな時間がたまらなく好きだった。 結婚か仕事か。 人生二社選択じゃあるまいし。 だいたい、結婚しなくても人は生きていける。 仕事しなきゃお金が入らない。 そうなったら生活できない。 だったら選択肢は一つ。 だと思ったのに。 『結婚しませんか?』 何の色気もない、道路を歩きながらのプロポーズ。 なのに、何の迷いもなく『はい』と返事をしていた。 あの人の不思議なところ。 言われたら抵抗できない。 なんだろう。 これが惚れた弱み?ってやつ? 真中の事、さんざん言ってきたけど自分の恋愛ほどままならないものはない。 それでも 彼と一緒に居る心地よさは他では得られない。 「ほら、ピーマン」 お義父さんが籠いっぱいのピーマンをくれた。 そういえば、ピーマン嫌いだって言ってたような。 ま、いっか。 ピーマンの肉詰めいっぱい作って待ってよ。
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