~バレンタイン編~

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2月。 日差しは暖かいのに吹く風は身を切る様に冷たい。 ブルっとなってコートの前をキュっと締める。 土曜日のバレンタインデー。 街中はLOVE一色。 チョコレートの匂いがするんじゃないかって位、お店のあちこちで販売している。 どうしようか迷いに迷って手作りでチャレンジすることにした。 自分でもまさか作ろうって判断を下すとは思わなかったんだけど。 運よく、休みだったこともあり朝からチョコレートと格闘。 何気に甘いものは食べてくれるし。なにせ桃の缶チューハイが一番の好物だし。 お菓子類は滅多に作らない初心者の私はネットで調べた『誰でも簡単チョコレシピ』というのに載ってた、ブラウニーを作ることにした。 結構、無心になって作れるから面白い。 仕事の煩わしさから解放されるし、何よりこれをどんな顔をして受け取るのだろうかと思うと、罰ゲームのようなワクワク感がある。 チョコを渡される側が罰ゲームって感覚が女子力のなさなんだろうけど。 永谷が聞いたら『先輩、女子力買ってきたらどうですか』って言われそうだ。 ラッピングってどうやんの? って、本当に不器用だよね、私。と改めて自覚。 出来上がったブラウニーを思い描いた10分の一の出来栄えのラッピングでなんとか人様に渡せる物にする。 今日一日、家に居るであろう二階堂宅に向かって歩き始める。 バレンタインにチョコなんて一体いつぶりだろう。 自分にも少しだけ『女子』な部分を発見した日になった。
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