1~立花編~

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小雨がぱらつく中、真中と別れる。 立ち止まって振りかえる。 雨を避けるようにちょっとジグザグに小走りしてる姿が見える。 避けれないでしょ? 思わず、笑ってしまう。 「毬亜ちゃん?」 真中を見てると、突然前に居た人が声をかけて来たが、久々に名前を呼ばれたせいか、一瞬誰の事かわからない。 怪訝な顔をしてたんだろうな。 目の前の、イケメン部類に入るであろう人が再び、私の名前を呼ぶ。 「毬亜ちゃんでしょ? 覚えてない?」 覚えてません! 誰?この人。 だいたい、なんで名前で呼ばれんの? 気持ち悪い。 無視して踵を返して歩き出す。
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