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1人の青年がラーメン屋の前で顎に手をあて深刻な表情をしていました。
しばらくの間そうしていたかと思うと、突然パッと顔をあげて笑顔で店の前から走り去って行きました。
「ひぃーばぁーりぃーっ!!」
先程の青年がそう叫びながら、アパートの扉を勢いよく開きました。
その扉の向うには山盛りになったドーナツを食べながらテレビを見ている青年がいました。
その青年の名はさっき呼ばれていた通り“飛翔李”である。
飛翔李は、ドーナツを食べていた手と口を休めテレビに向いていた顔を、玄関でいそいそと靴を脱いでいる青年に向けた。
「そんなに急いで、どうしたんだよ龍?」
龍と呼ばれた青年はなにも言わず、凄い勢いで飛翔李に迫った。
「今日は、何を見つけて来たの?」
「ラーメンっ!!」
「そう、このドーナツを食べて終わってからでもいい?」
「おうっ!!」
龍は満面の笑みで飛翔李から離れ、テーブルを挟んで向かい合うように座った。
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