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少しして、飛翔李がドーナツを食べ終えてから、龍に向かって言った。
「龍、食べ終わったけど・・・・行く?」
少し眠そうにしていた龍は、それを聞いて笑顔になった。
そして勢いよく立ち上がり、飛翔李の手を引っ張り“早く行こうっ”と急かしている。
「そんなに急がなくても大丈夫だよ」
そう言いつつも、少し愉しそうに飛翔李は龍に引っ張られながら家を出て行った。
***************
「ここなの?龍」
1、2時間程前、龍が立っていた場所に2人が立っている。
「うん、ここ」
店の出入口には“ラーメン2kg2杯を一時間で食べきれたら1万円差し上げます!!”と書かれた紙が貼られていた。
「龍が選んだにしては、金額低くないか?」
「この前、飛翔李がラーメン食べたいって言ってたから・・・」
飛翔李は優しく微笑んで龍の頭を撫でた。
「行こうか」
それから一時間
龍と飛翔李は賞金の一万円を手に店から出てきた。
「じゃぁ龍、俺は帰るよ」
「もぅ、帰るの?」
飛翔李は苦笑いしながら“ごめん”と言って龍に背を向け帰って行った。
「・・・なんでもっと長く、一緒に居られないの?」
~END~
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