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見馴れた自分の部屋
その部屋の中で、好物のドーナツを何時もの様に皿に盛って、何時もと同じ場所に座り、何時もと同じ様にテレビをつけてドーナツを食べていた。
それ以外の事なんて起きるはずが無かった。
でも、この日は何時もと違っていて部屋のドアが勢いよく開かれ、龍が靴も脱がずに抱き付いて来た。
「何、今日はどうしたの?」
俺は何も言わずに俺の目を真っ直ぐ見据えた。その時、凄く嫌な予感がした。
「飛翔李、俺さ、今凄く欲しい物があるんだ」
俺の嫌な予感はきっと当たっている
「俺、飛翔李が欲しいんだっ」
とうとう、この日が来てしまった。俺が一番、迎えたくなかったこの日が。
返事をせず、龍と目を合わせていると龍が不意に顔を近付けて来たかと思うと、龍はそのまま俺に口付けた。
「んっ・・・(嫌だっ)」
気付けば俺は龍を突飛ばし、自分の思いをぶつけていた。
「なに考えてんだっ、俺にこんなことして、ただですむと思ってんのかっ・・・やめろよ・・・・・やめてくれよら俺は、俺はまだ・・・・・・・・」
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