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四月七日。入学式というどこにでもありふれた行事がうちの学校にもある。
高校二年生になったんだから入学式なんて面倒なもの出なくても良いじゃないかとボヤキつつ小林達弘は高校一年のときから変わらない通学路を歩く。
達弘はゆったりとしたペースを保ちながら歩き続けていたが左手につけている四角くて派手なオレンジ色のアナログ時計を見て愕然とした。
時計が示した時刻は入学式が終わる5分前だったからだ。
達弘は足を早めて学校へ向かおうとまさに思った瞬間に後方から呼び止められた。
「少年」
(聞こえない、何にも聞こえない)
己の心に意味のない暗示をかけそのまま歩き進めようとしたのだがそれは叶わなかった。
「ふむ……。いい度胸をしている。お姉さんにそんな態度をとったらどういうことになるか教えてあげよう」
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